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光の建築装食を぀くる䞻なる现郚


光 建築家


【光の建築】ディテヌル现郚


「かたち」を生み出し、䜜り䞊げるような、匷い生成の力を持぀「ディテヌル现郚」がある。この「䞻なる现郚」は、春先に芜を出す怍物の胚芜はいがのようなものだ。そこに成長の力が集䞭し、それが時ず条件を埗れば、急激に成長しお、怍物は倧きく、そしお耇雑な圢態に至る。建築にも、そのようなかたちの成長の力を内に秘めた「ディテヌル」がある。

「ディテヌル」が決定的な圹割を果たしおいる空間もある。シトヌ䌚の修道院建築の、あの単玔で幟䜕孊的な石造りの空間に、その茝かしい光を䞎えおいるのは、その「窓の玍たり」であり、これがシトヌ䌚の空間の「䞻なる现郚」ずいえる。



党䜓を決める「䞻なる现郚」


党䜓を決める「现郚」がある。他のディテヌルがどうでもいい、ずいうものではない。すべおのディテヌルは、それぞれの意味ず圹割があり、すべお倧切である。しかし、「䞻なる现郚」をはっきりず認識するこずは、建築の固有の独自の力を䞎えるための決め手になる。すなわち、现郚のかたちのスタディは、同時に党䜓のかたちのスタディにほかならない。ディテヌルずは、现郚をどのように玍めるかず蚀う技術的なものより、ディテヌルが党䜓に係わるこずであり、党䜓を決めるこずだ。

ロマネスクの薄闇のようなほの暗い空間を囲む重厚な石のノォヌルトの皜線の䞊に、最初のリブが控え目に姿を珟す。そしおそれは少しず぀倪くなり、倧きくなり、数が増え、やがお党䜓に広がる。リブは、その成長の過皋で構造的意味を豊かにし、斜工的意味を獲埗し、さらに空間を文節したり、倖光を調敎したりする倚矩的な意味を備えおいく。倚矩的な意味を持ち埗る现郚だからこそ、党䜓を生成する力を持぀のである。



決め手になる现郚が芋えるたで


自分の頭ず目ず手を粟䞀杯䜿い぀぀埅たねばならない。しかしたた、やみくもに手を動かしおいればいいずいう蚀うわけではない。い぀、䜕が来おも察応できるように、手ず目ず頭を自由に開攟しおおく必芁がある。自由な状態に自らを保぀ためには、私は玙の䞊に鉛筆でスタディするのが䞀番良いず思っおいる。郚分から党䜓ぞ、はっきりした線からあいたいな線ぞ、倪い線からおがろげな線ぞ、い぀も瞬間に飛び移るこずができるからだ。党䜓を瀺す郚分が最も定着させやすい図面の皮類は、矩蚈図断面詳现図である。䞻芁な现郚、䞻芁な寞法、䞻芁な玠材、ずきには基本の色の組み合わせたでが、このハヌドラむンずフリヌハンドを䜵甚したラフな矩蚈図に盛り蟌める。矩蚈図をスタディするこずで、党䜓を成す䞻なる现郚が芋えおくるのだ。



光 建築家

ル・トロネ修道院の窓。粗い石の壁。その分厚い壁にうがたれた䞞アヌチの開口。その䞭を通過する時、光は黄金色に倉わっお、内郚空間を満たす存圚ずなる。その空間の生成を可胜にするのが、窓の现郚に他ならない。ル・トロネ修道院は、フランス、南プロノァンスにあるシトヌ䌚修道院建築の最高傑䜜である。



光が至高の装食に倉容する


南プロノァンスのル・トロネ修道院ぞ向かったのは、東京に雪が積もる真冬の季節であった。長い間心惹かれおいた修道院は、矎しく淡い茶黄色の石肌をしおいた。深い圱で包たれた出入口の䞭に力匷く茝く星のような光に誘われお聖堂の䞭に入るず、茝くような黄金の光が充満しおいたのだ。厚い壁䜓を、斜めに切っお開かれた窓から入る光が、その分厚い壁の䞭を通り抜ける間に、斜めの窓枠にあたり、黄金色の光に倉わっおいるのであった。

アヌチの窓枠は、宀内に二筋の溝が圫られおいるのみで、党く他の装食はない。この二筋の溝に、宀内に入り蟌んだ光があたっお、鮮やかに光の瞁食りを぀くり䞊げおいる。これは、もちろん、装食ずは蚀えない簡玠なものである。

䞭庭の回廊の柱頭、ノォヌルト倩井の倧寝宀、食堂のあちこちで芋られる装食を切り捚おたその最埌の幟䜕孊が最高の装食に倉容する驚きは、今でも鮮明に芚えおいる。ル・トロネ修道院の石の玔粋幟䜕孊によっお生たれた光ず空気は、最も豊かな装食なのだ。



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