建築家白井晟一の空間(茨城キリスト教大学・キアラ館)

 

 

  ↑半地下の礼拝堂

 

 

  ↑礼拝堂内壁の一部は学生による施工

 

 

↑レンガのランダムな凹凸によって生まれる陰影が美しい外観

 

 

 

 茨城キリスト教大学のキャンパス内で最も閑静な場所に、ノアの箱船を彷彿させる赤いレンガの外観をもつ礼拝堂《サンタ・キアラ館》がある。1974年に“孤高の建築家”と評される白井晟一(1905-1983)がアッシジの聖フランシスコの協力者であった修道女、聖クララ(ラテン語。キアラはイタリア語)が生きた時代の修道院をイメージして晩年に設計した建物である。「建築は精神の構築である」という白井氏の信念の表れであるこの建築物は、建築学的にも非常に高い評価を受けている。

 半地下の礼拝堂を持つキアラ館は、決して明るい空間ではなく、むしろ薄暗さを感じる。闇を含んだ光によって表現された雰囲気は、「死」では終わらない天上の世界を意識させられる建築空間である。木と石で構成された礼拝堂は秩序立った精神を現しているかのようであり、修道士がお互いに呼び掛け合っていた「メメント・モリ」、すなわち「汝の死を覚えよ」という言葉が聞こえてくるような聖なる光の空間だ。

 礼拝を終えて外へ出ると、生き生きとした力強い光が神の泉からあふれでてくるような強烈な輝きを感じる。そして、私たちは常に神の光で照らされていることを知るのである。

(月刊誌『信徒の友』「聖なる光と祈りの空間」2014年09月号より)

 

 

 

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