外海の聖者ド・ロ神父(長崎・大野教会)

 

 ↑ド・ロ神父が信徒のために私財を投じて建築した大野教会

 

 

 ↑自然石の微妙な色合いと形が全体に巧まざる調和をうみだした外観

 

 

 ↑礼拝堂(国指定重要文化財、長崎市下大野町2619番地)

 

 

 

 1868(明治元)年、世界遺産モン・サン・ミッシェルで有名なノルマンディー地方出身のマルコ・マリ・ド・ロ神父(1840~1914)は28歳で、「信徒(隠れキリシタン)発見」を成し遂げたプチジャン神父と共に長崎に渡来した。そして天に召されるまでの46年間、一度も帰国することなく、伝道と社会事業に終生貢献した。

 キリシタンの故郷である長崎県の外海地方に、ド・ロ神父が住民と共に建設したのが大野教会である。1893年に竣工した小規模な巡回教会であるこの大野教会は、海岸沿いに少し平地があるだけの陸の孤島とも言える貧しい土地に位置する。

 ド・ロ神父は地元産の玄武岩を水平に割った石を漆喰モルタルで塗り固めた独特の石積みの壁、通称ド・ロ壁を築いた。この壁は建築技法の希少性のみならず、土着の技法を活用し、地域の風土に密着した造形である。自然豊かな風景の中に建つ石造りの教会は、ド・ロ神父の故郷であるフランス北西部のヴォスロール村を彷彿させる。

 彼はキリシタン弾圧に苦しんできた人々の貧しい暮らしに一筋の希望の光をもたらしたのである。

(月刊誌『信徒の友』「聖なる光と祈りの空間」2014年08月号より)

 

 

 

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